お寺があり、露店があり、小さなお店が並ぶ巣鴨地蔵通りは、古き良き日本の風景と文化だけでなく、人の優しさもまた昔ながらの商人のおもてなしの心を大切にしています。
昨今、東京都内で大型複合商業施設と言われるものが増え、奇麗で目新しく興味を惹く新しい施設に東京都内のみならず全国の方が繰り返し足を向けられていますが、巣鴨という街は、お客さまがおもてなしを受け、心を癒され、のんびりと気分も体も晴れやかになっていただける「歴史と文化を大切にした人に優しいまちづくり」をこころがけています。(巣鴨地蔵通り商店街振興組合 広報HPより)
眞性寺は江戸六地蔵尊の一つで、真言宗豊山派の醫王山東光院に属しています。起立年代は不明ですが、行基菩薩が開基し、聖武天皇の勅願で建立されました。元和元年(1615年)に祐遍法印による再建が記録されています。眞性寺は、江戸時代には田端東覚寺の末寺、正徳元年(1711年)には京都御室御所仁和寺の末寺となり、明治33年からは真言宗豊山派の長谷寺の末寺です。境内には松尾芭蕉の句碑があり、交通の要として賑わいました。
境内の左手に、高さ2m68cm、蓮花台を含めると3m45cmの大きなお地蔵様が、蓮座に趺座しています。これを称して江戸六地蔵尊といい、江戸御府内に6箇所造立されている地蔵尊の一つです。
眞性寺の地蔵尊は江戸深川に住んでいられた地蔵坊正元という方が願主となって、宝永3年(1706年)造立の願を発してから14年間の間に、大凡同型の地蔵尊菩薩像6体を造立された中の一体で、4番目に作られた唐銅製の座像です。眞性寺の地蔵尊が完成したのは正徳4年9月(1714年)です。
その他の六地蔵は、東海道の尊像として品川寺(第一番)、奥州街道沿いの東禅寺(第二番)、甲州街道沿いの江戸三大閻魔の寺として有名な太宗寺(第三番)、水戸街道沿いの霊巌寺(第五番)にあります。第六寺は廃寺となり消滅した千葉街道沿いの永代寺にありました。
第六番の代仏が、上野の浄名院(台東区上野桜木二丁目6-4)に祀られています。浄名院が江戸六地蔵を名乗っている事については、他の札所でも賛否両論あるらしい。